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リョナラー連合主催バトルロワイアル(パロロワ) 004.仄かに灯る反逆の火

夜の平原に一人の少女がぽつんと立っていた。

深緑色の背中まで届く長髪に赤色の短いコートと
白のインナー、膝上の青いショートパンツの少女だ。

彼女は目元を覆い隠すほどの長い前髪の先っちょを
くりくり弄りながら、苛立たしげに呟く。

「……何これ?殺し合いとかありえないでしょ?
 頭おかしいんじゃないの、あのオッサン?」

少女……ホノカはこの殺し合いに対して、怒りを感じていた。

爆発する首輪を付けて殺し合いを強要するなど、
決して許されるものではない。

それに、見せしめに首輪を爆破されて殺されたのは、
ホノカよりも年下の女の子だった。
まだやりたいこともたくさんあっただろうに、
それを殺し合いなどという下らない催しで潰されたのだ。

「……はっ!だーれが殺し合いなんかしてやるもんですかっ!
 そんなもん、この私が叩き潰してやるわよっ!」

前髪を弄っていた手を離し、ぐっと拳を握り締める。

ホノカはこの殺し合いに反逆することを決めた。
仲間を集め、殺し合いをするヤツは殴り飛ばして止める。
ジョーカーは叩き潰す。

「……さーて、そうと決まったら支給品の確認ね。
 敵からもらったものを使うってのも癪だけど、
 さすがの私でも素手じゃ厳しいもんがあるしねー」

そう言って、ホノカはごそごそと袋を漁る。
しかし、出てきた支給品を見て、ホノカは落胆する。

「……うわ、しょっぼ……」

袋から出てきたのは、銅の短剣と銅の盾。
疑いようもなく、最弱クラスの武具である。

「……うちの里レベルの武具なんて贅沢は言わないけど、
 せめて鉄製の装備くらいは欲しかったわ……」

ぶつぶつと文句を言うホノカ。
ホノカはナヤマ一族という不思議な力を持つ一族だ。
ナヤマ一族は武具職人、工芸職人としてもレベルが高く、
彼らの作る武具はとても質が良いのだ。

しかし、そのことはあまり知られてはいない。
ナヤマ一族は里の外とはなるべく関係を持たず、
最低限の付き合いしかしていないからだ。

「……お、道具は爆滅の魔石2つか。
 こっちはなかなか良い感じじゃない」

武具の貧弱さに不貞腐れていたホノカだが、
道具はそれなりのものが支給されていたので、機嫌を治す。

次に、ホノカは参加者名簿を確認する。

「なっ……!?」

絶句するホノカ。
なぜなら、名簿にはナヤマの里の人間が3人も載っていたからだ。

シオン、マユラ、ヒカリ。

特に驚いたのが、まだ7歳のシオンがいたことだ。
しかも、シオンはナヤマ一族の『力』にも目覚めていない。

ホノカの胸中に焦りが生まれる。
何の力も持たない子供のシオンなど、
殺し合いの場ではすぐに殺されてしまう。

「シオン……早く探してあげないと……!」

ホノカは袋を背負って走り始めようとするが、
考え直して立ち止まる。

「……がむしゃらに探しても仕方が無いわ。
 とりあえず、他の参加者を探して、
 シオンのことを聞いてみよう」

焦りはあるが、闇雲に走り回っても体力を消耗するだけだ。
それよりは、他の参加者を見つけて情報交換をしたほうが良いだろう。

(……待っててね、シオン……すぐ見つけてあげるから……)

ホノカは胸中でシオンに向けて呟いた。
そして、他の二人の同胞に対しては、

「……マユラとヒカリは自分で何とかするでしょ。
 マユラは魔術師だし、ヒカリは隠れるの得意だし」

ばっさりと切って捨てた。
薄情と言うなかれ、何事も弱いものが優先なのだ。


【B-5/平原/1日目 0:30~】

【ホノカ@ナヤマ一族】
[年齢]:17
[状態]:健康
[武器]:銅の短剣
[防具]:銅の盾
[所持品]
・ホノカの袋
 ・基本支給品一式
 ・爆滅の魔石×2
[思考・状況]
1.シオンを探す
2.殺し合いを叩き潰す


『参加者・ジョーカーの現在地』
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