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リョナラー連合主催バトルロワイアル(パロロワ) 017.戦闘開始

D-2の館、その二階のエントランスに一人の少女の姿があった。

その少女の身体は燃え盛る紅蓮の炎に包まれており、
彼女が身体に纏う炎は夜の薄暗い館を煌々と照らしていた。

炎の精霊サラマンダーの少女、ミレイ。
それが、彼女の名前だった。

「……殺し合い……殺し合いねぇ……」

ミレイは目を閉じて腕組みをしながら、考え込んでいる。
やがて、かっと目を開くとニヤリと笑った。

「……つまり、強いヤツらと戦って最後まで勝ち残ればいいってことか!
 なかなか面白そうだし、やってやろうじゃないかっ!」

ミレイはあっさりと殺し合いに乗ることを決めた。
サラマンダーは元々乱暴で好戦的な性格の精霊だが、
その中でもミレイは取り分け戦うことが好きな個体だった。

そんな彼女を殺し合いなんてものに放り込んでしまったら、
こうなるのも当たり前のことだろう。

「ふふふ、楽しみだなぁ……!
 どんな強いヤツらがいるんだろう……!」

ミレイは早くも強敵と出会ったときのことを考えて、
顔をニヤニヤさせていた。

しかし、傍らに転がる袋に気が付き、顔を引き締める。

「……おっと、まずは支給品の確認だな。
 戦士たるもの、自分の戦力はちゃんと把握しとかないと」

そして、ミレイはごそごそと袋の中身を確認し始めた。
(ちなみに、炎の身体を持つミレイが袋に触っても、
 袋に炎が燃え移ったりはしなかった。
 どうやら、袋は容量や重量を無視する以外にも
 特殊な素材で出来ているらしい)

袋から出てきたのは、槍と胸当てと薬だった。

まず、戦の魔女の槍。
見事な拵えの槍で、一目見て業物と分かるほどの大当たりの品だ。

次に、聖王の胸当て。
聖王という人物が使っていた由緒あるものらしく、
これもまた大当たりの素晴らしい防具である。

最後に、ヒールポーション。
キュアポーションの効果を高めたものであり、
飲むとたちどころに傷が回復する薬だ。
前述の二品に比べるといささかランクは落ちるが、
それでも当たりといって良い品だろう。

「よしよし、どれも悪くないものばかりだ。
 これは幸先がいいぞ」

ミレイは支給品の豪華さに気を良くする。

さっそく槍と胸当てを身に着けると、
ミレイはすぐにエントランスの階段から
一階へと降りて、館の出口へと歩いていく。

まずは外に出て、戦う相手を探すのだ。

「ふふふ……待ってろよ、他の参加者たちっ!
 最後に勝ち残るのは、この私d「ウッジュウゥゥッ!」

ミレイの気合を入れた勝利の誓いは、
最後まで言い終わることはなかった。

なぜなら、彼女はいきなり館の天井から降ってきた
ドロドロの物体に押し潰されたからだ。




ミレイを襲ったドロドロの物体。
その正体は、グッチョリンと呼ばれるスライム状の生物だ。

見た目に反して素早い動きと高い知性を有しており、
濃度をコントロール可能な酸性の体液を勢いよく飛ばし、
それに怯んだ獲物を捕縛して養分を奪う恐ろしい生物だ。
(他にもいくつか特殊な生態はあるのだが、
 この場では関係ないので割愛させていただく)

今、ミレイは紫色のグッチョリン……ヌドロゥに襲われたのだ。

「ぐっ……!何だ、これ……!?
 くそっ、離れろっ!!離せ、このぉっ!!」

ミレイは必死になってもがくが、ヌドロゥは離さない。
逆にそのドロドロの身体をミレイにより複雑に
纏わりつかせて、ミレイの動きを封じようとする。

「っ!……いい加減にっ……、しろおおおぉぉぉぉっっ!!!」

ミレイの怒号とともに、爆発するように強烈な炎が渦巻いた。

「ウジュウゥゥゥッッ!!?」

ミレイに纏わりついていたヌドロゥはもろに炎に巻かれてしまい、
慌ててミレイを解放して、彼女から逃げるように飛び退いた。

ミレイは素早く立ち上がると、槍を構えてヌドロゥを威嚇する。

「お前っ……!いきなり不意打ちとは、やってくれるじゃないかっ!
 私相手にこんなことして、タダで済むと思うなよっ!」

そう言って、ミレイはそのままヌドロゥに突進していく。

「……ウジュッ……!」

対するヌドロゥは、ミレイの突進を大きく上に跳んで避ける。
それと同時に、酸性の体液の雨をミレイに浴びせかけた。

「甘いっ!!」

だが、体液はミレイの炎によってあっさりと蒸発する。
ミレイはそのまま宙に跳び、ヌドロゥに追撃をかけた。
しかし、ヌドロゥはミレイの反撃を身体の中心に自ら穴を開けて避けた。

「なあっ!?」

ヌドロゥの想定外の避け方にミレイは驚愕して、一瞬動きが止まる。
その隙を突き、ヌドロゥは身体を鞭のように伸ばして、ミレイに叩き付けた。

「がはっ!」

攻撃をまともに喰らって、ミレイは吹き飛び、地面に叩き付けられる。
そんなミレイを再び押し潰そうとヌドロゥは覆い被さるように
ミレイ目掛けて落下してくるが、ミレイは転がるように逃げて回避する。

「っ……ふふ……!やるじゃないか、グチョグチョ……!
 どうやら、アンタもなかなかの強者のようだな……!」
「……ウジュゥ……」

相手の強さを称えるようにニヤリと笑うミレイに対して、
ヌドロゥはどことなく不満顔だ。

ヌドロゥとしては、怯えて逃げ惑う獲物を
ひたすらに追い詰め、嬲り殺しにしたいのだ。

何が悲しくて、こんな戦闘狂に付き合ってやらねばならないのか。

「……ウジュッ」

だが、ヌドロゥは考え直す。

この余裕綽々の生意気な精霊を徹底的に嬲り尽くし、
心を折って、泣いて謝らせるというのも悪くない。

強気な獲物が心折れる瞬間に見せる表情というのは、
脆弱な獲物では味わえない極上のスパイスなのだから。

「……ウジュウゥゥゥッ!!」

やる気が出てきたヌドロゥは身体をうにょうにょ動かしながら
ミレイに突進していく。

「うおおおぉぉぉっ!!」

対するミレイも、それに答えるように槍を突き出して突撃する。

殺し合い開始早々、精霊とグッチョリンの熱い戦いが始まったのだった。


【D-2/館/1日目 0:30~】

【ミレイ@炎の精霊サラマンダー】
[年齢]:不明
[状態]:ダメージ(小)、魔力消費(小)
[武器]:戦の魔女の槍
[防具]:聖王の胸当て
[所持品]
・ミレイの袋
 ・基本支給品一式
 ・ヒールポーション
[思考・状況]
1.殺し合いに勝ち残り、最後の一人になる
2.目の前のグチョグチョ(ヌドロゥ)を倒す


【ヌドロゥ@グッチョリン】
[年齢]:不明
[状態]:ダメージ(極小)
[武器]:なし
[防具]:なし
[所持品]
・なし
[思考・状況]
1.殺しを楽しむ
2.目の前の生意気な精霊(ミレイ)を嬲り殺す


『参加者・ジョーカーの現在地』
genzaichi_rowa017.png


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