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リョナラー連合主催バトルロワイアル(パロロワ) 016.クマちゃん探して大号泣

A-4の祠にて、袋をがさごそと漁っている小さい影があった。
やがて、その影は袋から顔を出した。

それは、人形のように整った顔を持つ長い金髪の少女だった。
しかし、その肌はぞっとするほどの病的な白さをしており、
さらにその少女は人間ではありえないほどの小柄な身体をしていた。

その小人といっても良い小さな身体を持つ白い肌の少女は、
当然のことながら人間ではなかった。

彼女は恐怖の精霊スペクター。
精霊の中でも上位に位置する感情を司る精霊の一種だ。

「……ない……」

そんなスペクターがぽつりと呟いたかと思うと、
顔を歪ませて、瞳からぽろぽろと涙を流し始めた。

「……ベアトリスのクマちゃんがないっ……!どこにも入ってないっ……!
 ……うわああああぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁんっっ!!!」

そして、次の瞬間には凄まじい大声で泣き始めた。

スペクターが感情を昂ぶらせた時に発する声には、
聞く者の精神を狂わす魔力が宿る。

その力は歴戦の戦士すら発狂させるほどの恐ろしい力を持っており、
冒険者などのスペクターについて詳しく知っている者たちは
スペクターを見たら速やかにその場を去ることにしていた。

スペクターはその傍迷惑な能力を除けば、比較的大人しい精霊なのだ。
余計なちょっかいを出して怒らせたりしなければ問題はない。

そう。

例えば、殺し合いに巻き込んで、大切にしているヌイグルミを奪って、
他の参加者に支給してしまったりとかしなければ、特に問題はない。

……というか、そんなことされたら誰だって怒るに決まってる。

「うわあああぁぁぁあああぁぁああぁぁぁぁぁぁんっっっ!!!
 クマちゃんっ、クマちゃあああぁぁぁああぁぁぁんっっっ!!!」

宝物を奪われた可哀想なスペクターの少女……ベアトリスは、
大粒の涙を零しながら、いつまでも泣き続けるのだった。


【A-4/祠/1日目 0:30~】

【ベアトリス@恐怖の精霊スペクター】
[年齢]:不明
[状態]:悲しみ
[武器]:なし
[防具]:なし
[所持品]
・ベアトリスの袋
 ・基本支給品一式
 ・(不明の武器・防具・道具)
[思考・状況]
1.クマちゃん(癒しのテディベア)紛失の悲しみ


『参加者・ジョーカーの現在地』
genzaichi_rowa016.png


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